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建設経営セミナー


■『優位性をもつ営業への発想転換』(1) 【第1号 平成12年9月19日発行】
(株)日本コンサルタントグループ 建設産業システム研究所 中村 秀樹
 
優位性をもつには自社から発する施主への積極的な売り込みにヒントが隠されている。このことを知っていただくことが今回の主旨である。

1.当たり前のことを施主の立場でインパクトづくり
下の広告は某マンション分譲会社の施工品質PRを真似て作ったものである。
 ちょうど阪神大震災直後のもので、筆者の印象を強烈に刺激した。ご存知の方もいるだろう。
 建設に従事する者にとっては、鉄筋コンクリート造に鉄筋が入っているのは当たり前である。よって、わざわざ鉄筋が入っていることを宣伝するような思いつきは皆無であった。しかしながら、この広告を見たときは「何とすばらしい売り込み方だろう」と関心せざるを得なかった。
我々業界の中で仕事をしていると、一般消費者の気持ちが分からなくなってしまっていたのだろう。あまりにも固定観念にとらわれた頭の固さに我ながら恥ずかしい思いをした。

 よく考えてみると、これと同じようなことを我々建設業界の者はしているのではないか。であれば、施主の立場になって考えなおしてみるべきではないか。そこで自問自答してみよう。我々は施主の不安や疑問にわかりやすく説明しようと心掛けているだろうか。施主が望む要望に精一杯こたえようとしているだろうか。といった反省がいろいろと思い浮かんでくる。
 これらはまさに特定顧客だけに注視していた弊害なのである。企業競争がサバイバル化していく中で、素人や子供にもよく分かる営業方法を改めて考え直してみる必要があるのである。

2.発想を変えた営業展開
 それでは具体的にどんな発想転換をすべきか。公共工事でも民間工事でもどちらでも活用できる3つの例を取り上げてみよう。

(1)会社案内、施工実績パンフレットの発想転換
建設会社の会社案内や施工実績のパンフを集めてみた。あまりにも画一的で、訴求力に欠けるものが多かった。例えば、大きな空港の全体図を写真にして、“国土拡大と社会資本形成に我が社の技術が生かされています”というキャッチフレーズ(解説)されたパンフがあった。これは一体誰にアピールしているのか。公共工事の発注者が見ても、どこのどの部分を施工したのか分からない。ましては、本当にその空港全体を工事管理したのか疑問が残る。地元ゼネコンなら大空港の一部舗装や、外構を施工しただけかもしれない。単なるイメージの施工パンフを作るなら、効果はゼロと思うべきである。
求人パンフなら、イメージづくりに夢ある写真とキャッチフレーズを利用することはよい。工事を依頼したい施主には、もっと具体的で知りたいことを会社案内にまとめるべきである。それではどのようなパンフ作りがよいのか。次にそのポイントをまとめておこう。


『ポイント』
他社と同じものを作成してムダな金を使っている。施主が知りたいことを提示できるパンフレットが有効である。自社のパンフレットがどのように活用されているかの価値を考えてみることである。
民間の施主は素人であることを肝に銘じておくべきである。また官庁の施主の中には、技術に詳しく施工実績を鋭く追求してくる人もいる。そのような人には、より具体的な施工事例を別紙に準備し、それを提示できることである。この延長に技術提案型入札が存在しているからである。

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