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建設経営セミナー


■『新・建設VEによる建設プロジェクトマネジメント』 【第12号 平成13年3月12日発行】
(株)日本コンサルタントグループ VE研究室 加藤 浩之

 これまでの建設業は、工事契約後の建設プロジェクトの原価と品質を主に管理の対象としてきた。したがって、コスト面においては原価を削減するための管理が主たる活動であった。そこで、その逆説として、21世紀の建設業は顧客に必要とされる建設企業として自社の理念を明確にした上で、原価を作り込む管理、つまり利益を管理する組織と人材の構築とそれに基づいて組織的な活動を展開することが「新・建設VE」の考え方になる。

1.建設プロジェクトとVE
 下図は、建設プロジェクトの進行過程との関係でVEが適用できる可能性をイメージで描いたものである。
 VE要素曲線とVE可能度合いの数値については、同時にコストの変動可能領域と考えてよい。したがって建設プロジェクトのコストをコントロールしようとする時、顧客にとっても建設企業にとっても上流過程でのVEがいかに重要になるか理解いただけると思う。

 これまでの建設企業は、このプロセスについては設計者を介してのウォーターフォール型で流してきた。つまり前工程に遡ることができなかった環境を固定概念としてきた。したがって、本来建設プロジェクトから生み出されるアウトプット機能やコストに関する情報・ノウハウを有する建設業としての価値を提供できる合理的な組織的手法を開発してこなかった。
 21世紀に勝ち残る建設企業は、この固定概念を組織的に打破してコンカレント型にしていくのである。コンカレント型の活動とは、顧客・設計者・施工者が同時並行的に設計活動に関与することである。したがって、上流工程の段階での顧客要求、品質、コスト、スケジュールの概念を含む建設物のライフサイクルすべての要素を設計者に考慮させる活動である。
 この時に使われる共通言語がVEの本質である機能的研究法なのである。顧客・設計者・施工者が三位一体となり必要機能を明確にし、目標原価(機能評価値)を指針として、設計工程にそれぞれの役割を果たすことになる。



2.建設プロジェクトマネジメント
 企画〜施工という建設プロジェクトの活動は、各段階において挑戦的かつ組織の総力をもってすれば実現可能な(実現すべき)目標値を設定し、計画に基づいて目標達成に向けた活動を実施し、その結果が目標を達成できたことを確認した上で次の段階に進むというしくみと関係者の動機を高め確実に実行することが重要となる。
 特に基本設計以降は工事部門(購買含む)など関係者が増えてくる。プロジェクトのマネジメントサイクルの実施においては関係する部門ごとに目標値を明確にし、その達成には部門長の責任を全うするようVE推進責任者は統制しなければならない。
 建設プロジェクトにおける「新・VE活動」を確実に実施することにより、当初大幅に乖離していたお客様の建設予算との許容原価の差を段階的かつ計画的に縮小しながらお客様の満足を確保しつつ目標利益を確保することが可能となるのである。

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