(2)社員の能力と行動特性
優秀な現場作業所長とそうでない現場作業所長はどこで差がつくのだろうか。施工管理上の知識で差がつくのか。しかしながら、どこの建設会社のトップに尋ねても、例えば1級施工管理技師の有資格者が必ずしも優秀な作業所長とは限らない(もちろん優秀な作業所長も大勢いるが・・・)と言う。
差がつく要素とは何なのか。前述のAゼネコンの建築部長から興味深い話を聞いた。
「同じ入社5年の作業所長でも能力がまるで違う人がいる。例えば窓枠のサッシ発注の時にE君は図面の寸法通りに発注する。F君は現場の実際の形状を見ながらロスの少ない寸法で発注する。その後のロスの大小は明白でE君の方は現場の実態にあっていないから、施工の際にはつったり左官を入れたりの手間が多くなってしまう。どうして同じ入社5年目でもこのような差が出るのでしょうか」との話である。
実はこの2人の能力差は行動特性に違いがあるのである。
同じ現場を見るにしてもF君はおそらく「あの職人さんたちはどうやって仕事をするんだろう」と興味を持って見ているに違いない。E君はといえばそのような現場を観察する意識が低いはずである。ということは、「現場の作業や出来方に興味を持つ」ということが優秀な作業所長の持つべき一要素ということになる。
前述の施工図の件でも作業所長に図面を書く能力が求められるのではなく、書く体験と現実の現場とのすり合わせによって図面上の問題点を発見する能力が身に付かなくては何の意味もない。優秀な作業所長は他人と同じ枚数の図面を書き上げてもこの問題発見能力が人よりも高いはずである。
このように優秀な作業所長の持っている行動特性を分析し、それを明らかにすれば、その要素を修得できるように指導することにより誰もが優秀な作業所長になれるチャンスがあるはずである。
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