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建設経営セミナー


■『業績向上につながる人事制度』(4) 【第22号 平成14年3月4日発行】
(株)日本コンサルタントグループ経営コンサルタント 塚田 武志

4.アウトプットを期待水準とした人事制度
 前号では社員の仕事へのインプットを中心とした人事制度によく見られる問題点を解説しました。変化が激しく先行きの不透明な逆境の時代にはインプットのみの人事制度では経営を発展させていくことは難しいと言う内容でした。
今号はアウトプットを中心とした人事制度を考えて見ましょう。

1)社員の仕事におけるアウトプットとは?
 まず社員の仕事におけるアウトプットとは何かを整理してみましょう。営業系であれば受注額・新規開拓件数、技術系であれば出来高・粗利益額・粗利益率などがすぐに出てくるところでしょう。これらは全て数値で示すことが出来るアウトプットであり、事前に明確な目標を示すことにより、その達成度が容易に把握できて社員への評価へつなげることが出来ます。示した目標の妥当性さえ確保されれば、社員に理解が得られ易くなおかつ業績向上に直接結びつくアウトプットであるといえます。
 これに対し、課題解決、目標達成、職務の遂行度といったものも仕事におけるアウトプットの一つです。これらは、アウトプットとしての設定の困難さや評価基準の客観化の難しさからか、なかなか評価項目として採用されにくいものです。
しかし、受注額や粗利益額・率を上げるための取組みとして欠かすことができません。これらも評価すべきアウトプット項目であると言えます。
これらの仕事におけるアウトプットは数値項目・非数値項目に限らず、あくまでも企業経営という点から捉えて考えるべきです。
 アウトプットを期待水準とする際に、"ノルマ的運用をされてしまう"、"努力よりも運不運に評価が左右されてしまう"といった批判がよく聞かれます。しかし企業経営を継続し発展させて行く為に何が必要なのかを明確にすることは、人事システムという経営のサブシステムだけにとどまらず、他のサブシステムひいては経営システム全体を稼動させる為には必ず必要なものです。自分の会社がどのようなあるべき姿を描いているのか、その実現のために各組織あるいは各自が何を達成しなくてはいけないのかを明確にし、その達成度の評価結果を人事制度の査定の中に取り入れていくのです。
ハッキリしない目的のもとでは、評価すべきアウトプットは定めることはできません。また、会社の目標が共有化されていないところに個々の社員の目標を設定しても、業績向上に貢献しない無駄な目標、無駄ながんばりが発生するだけです。まずは経営者自身が経営のビジョンをしっかりと持ち、ビジョン達成のための社員個々の役割を明確にしていくことが大事です。

2)非数値アウトプット項目
 ここで非数値アウトプットの設定方法について解説したいと思います。前述のとおり、非数値アウトプット項目はその設定の難しさの為、なかなか運用が難しいという意見をよく耳にします。ここでは、機能体系にもとづくあるべき姿を達成する為の課題から非数値アウトプット項目を設定する方法を説明いたします。
機能の定義づけとあるべき姿の設定については、過去の号を参考にしていただきたいのですが、ここではさらにあるべき姿を達成する為の"課題"を機能ごとに検討してみてください。その結果、機能の役割分担と合わせると、各組織において取り組むべき課題が見えてきます。その課題を非数値アウトプット項目設定のために活用するのです。前述の"課題解決"というアウトプット項目に該当するものです。
各組織の取り組み課題をそれぞれの組織においてより詳細に落とし込むことによって、個人ごと・期間ごとの目標が設定されてきます。それらを各社員のアウトプットに注目した考課項目として採用するのです。この方法で行けば、個々の目標が会社全体の業績向上に確実につながりますし、各社員の経営への参画意識も強くすることができます。

次号は職務資格制度などについて解説します。


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