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建設経営セミナー


■『建設市場を勝ちぬく企業経営』(3) 【第31号 平成14年11月25日発行】
(株)日本コンサルタントグループ 経営コンサルタント 平林 修二

 5)解のない時代

 企業経営で勝ち組になるためには、他社にない明確な特徴を持っていなければなりません。この他社にない明確な特徴を『戦略』と考えればわかりやすいと思います。
 ではなぜ『経営戦略』や戦略に基づいた『経営計画』を作るかというと、これはいろいろな方が言っていますが、時代背景の中でひとつ言えることは、21世紀の最初の10年間は正解がない時代だという事です。これまでは建設業界にもある程度正解があったようですが、これからは正解というものがなくなるのではないでしょうか。
 今までは、2+2=4という結果が出た時代でした。しかし、今の時代は4という答えを出すためには2×2でもいいし、1+3や6−2でも同じ4という答えを出すことができる時代です。この場合は簡単な数式で示しましたが、この4という同じ答えを導くために、何を取捨選択してこの答えを見つけ出すかを考えなければなりません。
 これは企業によって「当社では6から2を引いて4を出す」ということを考えたり、「いや、私のところでは1と3を足して4とする」となります。これがまさに解のない時代ということです。解のない時代ですから、あることをやって、結果が思わしくなければすぐやめて別の方に行かなければならない。これをスピードを持ってやる企業とやらない企業の差が「勝ち組」と「負け組」の差ということになると思います。

 6)経営戦略と活動施策


 先ほど戦略を「他社にない明確な特徴」と書きましたが、より易しく定義すれば「戦略とはどの山に登るのかを明確にすること」と考えるとわかりやすいと思います。つまり、「うちの会社は富士山に登るんだ」とか「浅間山に登るんだ」という、要するに「どの山に登るか」ということを明らかにする、これが『戦略』です。
 そしてその山をどのようにして登るかということが『計画』です。例えば、山に登るときはケーブルカーで行こうという手段もありますし、一生懸命歩いていこうという考え方もあります。
 また、富士山であれば山の入口は山梨口もあれば静岡口もある。そこで当社では、山梨口からこういう形で歩いていこうというように決めます。まずこの『計画』を決めることが何より先決です。
 ところが実際には道に迷ったり悪天候だったりして計画通りにはいきません。しかし計画があれば迷った時に「私はこういう形で歩いていこう」と考えることができる。要するに計画と現実との差が明確になるから軌道修正が可能になるということです。

 残念ながら地場建設業経営者の方々は戦略や計画を重要視していません。特に解のないこの時代、これまでの経験が通用しませんから「戦略や計画など意味がない」と考える方が多いように感じます。そもそも計画通りに事が運ぶという前提が間違いであることに気づいてもらいたいと思います。
 この解のない時代の『戦略』『計画』立案は「みんなの知恵をどう集めるか」です。みんなといっても社長と幹部だけです。言葉は悪いのですが、全員の社員の意見を聞いて足して2で割っても仕方ありません。要するに社長と幹部で考え、当社はどのような山をどのようにして登るかを社員に話せばいいのです。

 1〜2年前から、戦略や計画を見直す建設業者さんが増えつつあります。「分からなければ分からないなりに作ってみよう。作ってみてその通りやって、だめならみんなで反省して何が悪かったかが明確になれば次の戦略・計画が組みやすいものだ」という割りきりをしている企業さんも増えつつあります。
 『戦略』と『計画』をぜひお作りいただき、山を歩き始めていただければと思います。


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