9)集中化戦略
マイケル・ポーターによる3つめの競争戦略は、集中化戦略です。集中化戦略とは、ある顧客のセグメント(細分化)、つまりお客さんの所得層・年齢層や地域といった、特定のところに資源を集中して、攻めていく戦略です。言いかえますと、特定のターゲット市場だけに絞り込むことを戦略の『コア』とするものです。これに対し、全てをやることを総合化と言い、今の経済環境では守りの姿勢となります。
例えば、電気設備工事業さんで、現在保有している電気設備に関する技術力を生かし、ビル管理業界で市場を取るために、社内の優秀なメンバーを全部集中化している会社があります。そもそも、ビル管理業界というのは、清掃から始まった業界です。そのため、電気技術などの技術を売り物にした会社はそれほど多くはありません。そこに、その会社の社長が着目しました。「清掃をしながら、空調設備の不具合や電気設備の不具合を修理することができる技術屋集団」であることを売り物に、その分野に優秀な技術者を集中化して参入しました。その結果、参入してたかだか3〜4年で、今では本業の電気工事業と同じぐらいの売上になっています。
良し悪しは別にして、持っている商品をどこの市場にぶつけていけば良いのかと言う、ひとつの集中化戦略の例です。
基本的に今の競争の中では、先回・先々回と取り上げてまいりました、3つの戦略である「コストリーダーシップ戦略」「差別化戦略」「集中化戦略」のどれかを取り上げ、ある時には差別化、ある時にはコストリーダーシップ、ある時には集中化、それをあるスパンの中で明確にして実行してください。これが、競争の時代に勝っていく戦略の要素だと、マイケル・ポーターも言っています。
10)コトラーの4つの競争地位戦略
フィリップ・コトラーという、マーケティングの世界では神様と言われる人が、 「競争の地位、企業が置かれている状態の中で、とるべき戦略は決まっている」
と言っています。
【コトラーの4つの競争地位戦略】 1.マーケットリーダー戦略 2.マーケットチャレンジャー戦略 3.マーケットニッチャー戦略 4.マーケットフォロワー戦略
「マーケットリーダー戦略」は、豊富な資金力で総合化戦略を実施できるナンバーワン企業の戦略です。
2番目の「マーケットチャレンジャー戦略」は革新的な差別化戦略で、二番手・三番手の企業がとるべき戦略を言います。
皆さんに本当に考えていただきたいのは3番目の、「マーケットニッチャー戦略」です。ニッチャーというのは隙間です。みなさんが見逃している隙間が無いか探すことです。特に、「特殊市場において」と言う部分が大切です。建設業界の例では、ショーボンド建設さんの例が有ります。土木の中で、これからしか伸びないというリニューアル土木(土木維持市場)の中心発注単価は、1件あたり300万円程度だそうです。その仕事を中心に受注活動をされています。それなのに、600億〜650億円程度をやっていらっしゃる。要するにニッチ(隙間)ですね。
4番目は「マーケットフォロワー戦略」です。多くの、地方の建設業者さんがこのマーケットフォロワー戦略です。チャレンジャーとかリーダーの持っている優れた市場戦略を真似してきたのです。ただし、今の時代は誰でもフォロワー戦略を実施できます。
そういう意味で言えば、先ほどの「差別化」とか「集中化」を徹底して考えて実践していかなければ、勝ち残りはできません。
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