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建設経営セミナー


■『建設市場を勝ちぬく企業経営』(8) 【第36号 平成15年5月12日発行】
(株)日本コンサルタントグループ 経営コンサルタント 平林 修二

 13)経営戦略の選択

 どの経営戦略を選択するかは、事業規模や企業目的別によって変わります。筆者の経験では、中小・中堅建設業の皆様に取るべき経営戦略は、「コアコンピタンス経営」と「顧客価値経営」がよいと思います。
 「コアコンピタンス経営」の例は、S建設の補修技術と折込営業力、ソニーの小型化技術、ダスキンの訪問販売技術など、中核となる企業の強みを活かす経営で企業が成長するものです。「顧客価値経営」は、「顧客に選ばれる企業づくり」で、例えばCS=カスタマーサティスファクションという「顧客満足」や「スピード解決」というものになります。
 またその他にも、「経営組織の改革」や「キャッシュフロー経営」「M&A」「リストラクチャリング」もあります。表1、表2に経営戦略の選択方法をまとめました。ご参照ください。

表1 「事業規模」による経営戦略の選択方法
企業規模 大手 中堅 中小 備考
経営理念 コアコンピタンス経営 全ての企業に不可欠
顧客価値経営 全ての企業に不可欠
経営構造 経営組織の改革 大企業病からの脱却
キャッシュフロー経営 全ての企業に不可欠
事業再構築 リストラクチャリング 多角化企業ほど必要
M&A × × 資本力が必要
MBO(会社分割) × 大組織の小回り性

表2 「企業目的」による経営戦略の選択
企業規模 経営効率 多角化 利益増 備考
経営理念 コアコンピタンス経営 経営方針の中核
顧客価値経営 顧客囲い込み
経営構造 経営組織の改革 身軽な相続
キャッシュフロー経営 新しい企業の評価尺度
事業再構築 リストラクチャリング × リストラしながら多角化
M&A 多角化と売上増
MBO(会社分割) 分割された会社を伸ばす


 14)戦略を具現化する組織づくり

 それでは戦略を実現する組織づくりをご説明します。スピードが求められる今日、集権的な組織、要するに君主へ全部集中するような組織での戦いは限界に来ています。一人の管理者が見れる部下の数には限界が有ります。社長である君主が「私はうちの会社の30人全員の顔の表情が分かる」といつまでものんきなことをやっている会社は潰れます。
 つまり、管理者一人一人が、目標実現のための具体策を考え、部下とともに実現していくことができなければ、企業は維持できないのです。ここで重要なことは、役割分担を明確にして、個人対応から組織対応に脱皮し、全員で参画できる組織づくりをすることなのです。
 組織づくりでは個人に組織を当てはめるのではなく、機能の働きによって役割分担を明確にし、組織構造を決めてください。
 また、組織を動かすのは社長だけでなく、管理者やメンバー一人一人が力を結集することによりはじめて実現が可能となります。そのために、真剣に人材育成を実施してください。管理者を育成する場合には「マネジメント教育」を、技能者を育成する場合には社内の優秀技能者の行動をモデルにした「行動特性」を教材に、現場で指導してください。私は、入社して5年から7年の間に一人前になるような目標設定が必要と考えます。
 最後になりましたが、8回に分けて、「建設市場を勝ちぬく企業経営」について書かせていただきました。末筆ながら、皆様の業績向上のお役に立てれば幸いです。本業重視の勝ち残りをキーワードに前進してください。


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