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建設経営セミナー


■『建設業にフィットする人事制度の再構築』 〜建設業の現状を打破する〜

  第4回「経営変革型人事制度」  【第40号 平成15年10月17日発行】
(株)日本コンサルタントグループ 経営コンサルタント 塚田 武志

6.経営変革型人事制度に要求される各要素・体系の質

このように、人事制度のコンセプトが「現状打破」を支援ことと決まると、人事制度の各要素・体系に求められる内容も明確になってきます。現在のそれぞれの会社の人事制度あるいはこれから構築しようとしている人事制度を下記の観点でチェックしてください。

1)  機能体系および改革の体系=経営計画と機能の明確化
人事制度は単体での存在意義・良し悪しを問うべきものではなく、あくまでも経営目的・目標の達成に対する有効性から評価すべきものです。したがって、経営目的・目標と達成の方法を明確にした経営計画の存在と組織の働き(機能)の明確化が前提になります。
2)  期待の体系
企業には経営目的・目標を達成するための職務やその分担が存在します。それを明確にするのが期待の体系です。要素としては、職務の階層や社員の職能レベルを明確にした「等級・コース」、それによって区分された単位ごとの「職務期待水準」が必要です。
3)  目標設定および評価の体系=人事考課制度
期待の体系で明確にした「職務期待水準」を個々の社員が満たしているかどうかをチェックするのが評価の体系です。職務期待水準から重要な項目をピックアップ(あるいは全項目)して、定期的に確認します。モデル1では定常業務よりも経営改革を優先するとして、経営計画から担当項目を目標として設定しその達成度を評価対象とする「目標管理制度」を評価体系の中心にすえるようにします。
4)  査定の体系
人事考課によって評価された結果は点数として表されますが、そのままでは処遇の決定には使いにくにものです。そこで、社員の考課結果を数ランクに分けて処遇決定の根拠として使いやすいものに表現しなおします。S・A・B・C・Dの5段階に分けることが多くみられます。
5)  処遇の体系=賃金制度
企業と社員の関係は、企業が期待する成果とその報酬としての賃金が軸になります。したがってその報酬の決定方法を「賃金規定」「賞与規定」などで明確にすることが必要です。
6)  教育の体系
企業の経営資源のもっとも重要な要素である「人」。社員が期待通りの職務を遂行し成果をあげるためには、計画的な体系だてられた教育が必要です。人事考課の結果や、長期的な育成計画のもと教育ニーズにあった教育を実施することが必要です。

各要素・体系のチェックリスト

1) 機能体系および改革の体系=経営計画と機能の明確化
 1. 経営計画が明文化されているか?
 2. 経営計画が社員に浸透しているか?
 3. 経営計画に(数値計画だけではなく)実現のための施策が盛り込まれているか?
 4. 経営機能(経営の働き)と役割分担が明確になっているか?

2) 期待の体系
 1. 等級の数が社内の指示命令系統と整合しているか?
 2. マネジメント職と専門職(工事のベテランなど)が明確にコース分けされているか?
 3. 階層・等級ごとに期待する職務・職能が明確になっているか?
 4. 職務・職能が経営目的・目標の達成のために有効なものか?

3) 目標設定および評価の体系=人事考課制度
 1. 評価の項目が期待の体系に合致しているか?
 2. 評価の対象・基準が明確か?
 3. 階層・等級別およびコース別(すなわち職務内容)に重要な項目が明確になっているか?
 4. 設定した目標は結果と過程の両方が織り込まれているか?

4) 査定の体系
 1. ランク分けの基準が明確か?
 2. 基準は相対区分か? 絶対区分か?

5) 処遇の体系=賃金制度
 1. 賃金の水準を相場(業種・規模)や自社生産性の観点から設定しているか?
 2. 階層・等級間の格差が適切か?
 3. 賃金決定要素が明確か?
 4. 賃金決定要素に占める属人的要素が極力すくなくなっているか?

6) 教育の体系
 1. 社員の期待水準と連動した教育体系があるか?
 2. 人事考課などの社員に関する情報を元に教育プランを作成しているか?

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