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建設経営セミナー


■『建設業にフィットする人事制度の再構築』 〜建設業の現状を打破する〜

  第7回「機能体系をベースにした職務期待水準の考え方」   【第43号 平成16年2月19日発行】
(株)日本コンサルタントグループ 経営コンサルタント 塚田 武志

9. 日常業務の職務期待水準の検討

社員個々の職務は日常的なものと改革に関するものの二種類に大きく分けられます。日常的なものには基準や手順が明確に定められた定型職務と、その都度の判断が重要な非定型職務があり、そのいずれもが、会社の機能を動かすために実施されます。すなわち、社員の職務を明確にするためには、まず会社の機能を明確にする必要があるということです。

【図表1】
建設業に多く見られる職務基準書や期待水準などは、社員に対するヒアリングなどによりすでに実施している職務を抽出しまとめただけの物が多く、必ずしも個人の職務と会社の機能の整合性が取られていないのが実態です。そのため、会社に必要のない仕事があったり、会社の組織やしくみを変更すると、どの職務を直していいのかが解らなかったりするのです。これでは、企業目的に貢献する人事制度にはなりえません。

図表1のように会社の機能を中心に改革によるシステムの変更を常に日常業務に反映できるように職務期待水準を設計しなくてはいけません。

1)  機能体系の整備

【図表2】
経営における機能とは、それぞれの会社の目的を達成するために必要な働きのことを言います。建設企業においては、受注確保のためにさまざまな働きを行う営業機能、受注した物件に対しQCDSを管理しながら施工を行う施工機能、経営活動を組織化する管理機能の大きく三つの機能に分けられます。
もちろん経営の機能はこのような3分類のみですむほど単純なものではありません。
この3機能を大分類として、さらに中機能・小機能とより詳細に分類されます(ある会社では最終的に460ほどの機能に定義されました)。

この体系化された機能ごとにそれぞれの定義を明確にします。定義は社員個々の職務がわかるように記述することが望ましいですが、それにこだわらず各機能の目的を明確にしておくことを優先してください。

2)  機能別役割分担の設定

設定した機能に対して各部門・各階層の役割を検討します。現在主流になっている職務期待水準は、図表3のように各部門・各階層ごとに業務の内容を詳細に記述するものです。これは、社員個々の役割をより明確にし理解を助けることにより浸透させやすくなり、また考課項目の客観性を確保しやすくなるというメリットがある反面、メンテナンスに手間がかかったり、機能や他の階層との関連がわかりにくかったりするデメリットもあります。

仕事の仕方に対する変革を求められているこの時代においては、全体の中での自分の職務の位置付けや変革による職務の変更結果を職務基準にフィードバックするメンテナンスのしやすさを優先すべきですから、機能体系を軸に各階層の役割を限定された言葉で規定する形態のほうがより活用しやすい職務期待水準になります。

【図表3】
主要業務内容 主要業務の内容
職種
 建築現場
職務名
 作業所長職
(工程管理)
1.基本・月間・週間工程表の作成
2.工程表に基づき、作業員の手配打ち合わせ
3.各協力会社間の調整を行う
4.資材の連絡確保

(安全管理)
1.各種安全書類の作成
2.協力業者安全書類のチェック
3.現場作業員の安全指導
4.安全パトロールによる記録、是正、指導
所属部門
 建築部
7級職
職務の基本的任務
1.本部との連絡、報告、調整及び担当上司の補佐
2.工事施工の総合管理




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