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建設経営セミナー


■『建設業にフィットする人事制度の再構築』 〜建設業の現状を打破する〜

  第10回「経営改革に貢献する人事効果」   【第46号 平成16年5月17日発行】
(株)日本コンサルタントグループ 経営コンサルタント 塚田 武志

14. 機能課題目標の定め方

1)  経営および部門の計画の策定

前回の「改革業務の期待水準の検討」で示した考え方で、企業の機能別あるべき姿を実現するための計画を策定します。経営のあるべき姿を実現するための課題、および課題を行動レベルまで分解した改善施策を、業務の繁簡や個人ごとの能力等を考慮して、日程と役割分担を決定します。

よく、個人ごとの目標設定をこのステップの前に実施する会社がありますが、個人を育成することが主眼となる時代には有効ですが、現在の経営環境では効率・スピードを優先させて、方針管理的な考え方で全体の役割分担を先行する手法を取り入れるべきです。
2)  個人別機能課題目標の設定

「経営および部門の計画の策定」は課題あるいは部門をキーワードにしてまとめたものですが、ここから社員個人ごとに自分の担当する課題・改善施策をまとめたものが、個人の「機能別課題目標」のシートになります。この改善施策ごとに、どのようなステップで施策を実行するか、どのような情報を集めるかを自分自身で計画し、機能課題に関する個人目標が決定します。

この機能課題目標は、職務遂行目標と違い一人一人で完結するものではなく、自分自身の結果が他の社員の目標、ひいては部門・会社全体の経営計画の達成に結びつきます。考課者たる上司は、この点をよく留意して特に念入りに個人目標の妥当性を確認するようにしてください。

15. その他の人事考課内容

職務遂行と機能課題の二つの目標のほかにも、人事考課として取り上げたい項目はいくつかあります。その代表的なものが、能力や態度、そして粗利益・受注額などの数値的な目標です。

1)  能力考課

能力考課は「職能」という言葉でもわかるように、職務に結びついた能力のみを評価対称にすることになります。能力考課を採用する場合には、この結びつきに注目して整理するようにしてください。例えば、機能を縦軸、能力を横軸にした表を作成し、それぞれ関係するところに○をつけて、対応職位とすり合わせたうえで、職位ごとに考課する能力項目を設定するなどです。

しかし、その能力が職務に結びついていて職務はすでに目標管理で考課していることや、変化の激しい時代であり必要な能力も変化していくことを考えれば、より基本的な能力に絞ることや、あるいは能力考課は行わないなど、あまり重要視しすぎないようにすることが経営環境にマッチした選択です。
2)  態度考課

態度考課は、社会人としてのベースになる項目です。したがって人事考課に取り込むにしても、若手のみを対象とした採用にするべきです。また、社員の態度要件をレベルアップするためには、半年に一度の人事考課に頼るよりも、日常活動の中から、上司や同僚からお互いに注意しあい、意識付けを図るほうがはるかに有効です。人事考課の内容として取り上げることは効果の薄いものといわざるを得ません。
3)  数値目標

粗利益額・率や受注額などの業績貢献を表す数値目標は、今後人事考課の内容として重要性を増してきます。しかし、経営のシステムが経営環境にあっていない状態で数値ばかりを追うことは、短期的な業績のみを追うことにつながってしまいかねず、経営の抜本的な改革に対する障害になる恐れがあります。前述の経営計画や機能課題目標がしっかり定まった上で、どのような項目を数値目標として取り上げるかを判断するようにしてください。

今号で「建設業にフィットする人事制度の再構築」シリーズは終了させていただきます。 次号は、弊社にて、昨年10月から12月まで実施しました「建設業の成果重視型人事制度の構築研究会」のアンケート分析結果を3回シリーズで解説いたします。地場建設業の経営者の人事制度に対する意識をご紹介させていただきます。

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