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建設経営セミナー


■『建設業経営に活かす経審戦略』(1)
【第54号 平成17年1月14日発行】
(株)日本コンサルタントグループ 経営コンサルタント 菅野 好則

1. 建設業の経営環境と経審の関わり

1)  「経審」重要性認識の変遷

政府政策でもある、『公共投資の縮減』と連動して、建設業の総投資額が大幅に減少している中で、「経審」の重要性はここ数年で大きく変わりました。
当初、公共工事受注のための通過点的イメージが強かった本制度も、建設投資額が70兆円を割り始めた平成12年以降、急激に重要性を帯びてきた感があります。
これは、制度内容に加え、制度を運用するための仕組みがしっかりしてきたことと、発注絶対額が減少したため業者選定の唯一の評価手段である本制度を、重要視せざるを得なくなった建設業者側の思惑が一致したものと思われます。

勿論、以前から課題とされていた、「企業評価のあり方」、「不良不適格業者の排除」、そして各企業に求められている、「経営力・技術力の強化」、「経常JV等の企業連携」、こうした項目が徐々に解決され始めたことはいうまでもありません。
完工高一つ見ても、1兆円規模から数百万・数千万円規模まで様々な企業がひしめき合っている業界です。それをこの制度で一律評価しているわけですから、頻度の高い見直し・改定は、制度面と運用面それぞれから精度を高めていくためには当然の成り行きといわざるを得ません。

まさしく、現時点では公共工事の登竜門です。しかし、政府が本当に「経審」に求めているものは何でしょうか。
これだけ厳しくなってきた業界に追い討ちをかけるように、既存公共工事の投資見直しや入札契約適正化法の厳粛化が始まりました。我々は試されています。経営者としての「力量」、会社としての「企業力・技術力」。やさしく言えば、政府から建設企業への「愛の鞭?」、厳しく言えば、「警鐘:もう後が無い」と捉えることが出来ます。

「経審」は第一関門です。ここを通らなければ次はありません。通ったからといって、受注が保証されるものでもありません。建設企業として初めてスタートラインに立ったと思ってください。本当の競争はこれからです。
2)  経営戦略の発想で対応

それでは、経審を上手に活用し、生き残っていくためにそれぞれの企業では、具体的に何をどのようにしたらよいのでしょうか。まず、基本的なスタンスとして経審を経営戦略の一部として捉えることになります。
言うまでもありませんが、建設会社経営もひとつの企業経営です。たまたま、業種が建設業であるだけで、他産業の経営となんら変わることがありません。

  「いや〜我々の業界は、特殊だからね〜」
  「標準化?現場は全部オリジナルだよ。どこを標準化すれば良いの?」
  「ここ数年受注が落ちてる。だって、役所の仕事が減っているからしょうがないよ」


よく耳にする会話です。
よく考えてみてください。全てが、経営努力を怠った言い訳でしかありません。是非、この轍を踏まないようにお願いしたいと思います。

『経営戦略』、これは企業規模の大小に関わらず、会社を維持・運営するために必要な、経営者が持つべき基本的な考え方です。
経営戦略の上位概念(経営ビジョン)・考え方の一般的な流れは、『経営理念→基本方針→経営計画』となっておりますが、この中の経営計画の一部を経営戦略が担うことになります。

決算時期や、経審の審査時期になってあわてて対処するのではなく、本来、企業の経営結果がそのまま反映されるようにしていかなければなりません。

経営戦略のアクションのひとつとして経審を位置付け、普段から計画的に対応し、積み重ねていくことが、最良の方法と考えております。

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