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建設経営セミナー


■『建設業経営に活かす経審戦略』(4)
【第57号 平成17年4月15日発行】
(株)日本コンサルタントグループ 経営コンサルタント 菅野 好則

4. 経審情報の継続的活用

経審情報は、各企業の2年間の情報を基に構築されています。これは、1年間の一過性のデータだけでは、企業力の判断ができないためですが、経営分析も同じです。
最近はバブル時期と異なり、事業や投資等での大きな失敗は影を潜めてきましたから、急激な財務データの変調は見かけなくなってきました。受注減少、少子高齢化による技術伝承不足・人件費高止まり等が原因となる利益の減少は、間違いなくボディブローのように効いているはずですが、1年単位のデータでは変化を見落としてしまうことがよくあります。そういう意味では、経審情報の継続的な活用は特筆すべきことと思います。

【A社の例】
A社の例

(今期:評点(Y) 578点)
経営状況 単独決算 経営状況 単独決算
売上高営業利益率
0.721 自己資本比率 9.569
総資本経常利益率 0.271 有利子負債月商倍率 4.731
キャッシュ・フロー対売上高比率 0.084 純支払利息比率 0.807
(収益性点数) -0.434 (安定性点数) -0.533
必要運転資金月商倍率 -0.541 自己資本対固定資産比率 28.711
立替工事高比率 14.470 長期固定適合比率 116.873
受取勘定月商倍率 1.785 付加価値対固定資産比率 62.140
(流動性点数) -0.093 (健全性点数) -0.598

(前期:評点(Y) 615点)
経営状況 単独決算 経営状況 単独決算
売上高営業利益率
0.409 自己資本比率 10.158
総資本経常利益率 0.449 有利子負債月商倍率 4.150
キャッシュ・フロー対売上高比率 0.309 純支払利息比率 0.568
(収益性点数) -0.446 (安定性点数) -0.345
必要運転資金月商倍率 -0.257 自己資本対固定資産比率 32.271
立替工事高比率 12.766 長期固定適合比率 124.408
受取勘定月商倍率 1.598 付加価値対固定資産比率 85.737
(流動性点数) -0.192 (健全性点数) -0.560

12指標のうち、10指標が前期よりも落ちています。工事の利益、会社の利益、資金の猶予がないようです。利益が出ないため、資金不足分を借入で補填するが、借入金過多に陥り破綻する典型的なグラフです。 このA社は、最終的には、資金繰りでアウトになりました。大手ゼネコンのように、金融機関に支援を仰いでも、地方では限界があります。間違いなく、事前に兆候が出ているはずですから、それを見極める機能をどこかが果たさなければなりません。
但し、経審データは、一つの目安に過ぎません。過信は禁物です。経審データと第三者のチェック機能、相乗効果での活用を是非お願いいたします。

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