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建設経営セミナー


■『建設業の事業再構築戦略』〜建設業の現状を打破する〜

  「事業構造を考える前提」
【第58号 平成17年5月13日発行】
(株)日本コンサルタントグループ 経営コンサルタント 黒田 瑞祥

 3回にわたって「建設事業の再構築戦略」について連載させていただきます。テーマは「全体最適化のための事業構造をどのように考え、組織体制をどう作るか」について解説いたします。

1.事業構造を考える前提

 建設業における内的・外的環境要因は厳しさを増していることはここ数年変わっておりません。これらの環境に対して、建設業としてどのような事業構造を考えていくか、そして組織はいかにあるべきかについて考えてみます。考える上で第一に対応していかなければならないことは、

1)「スピード」

 従来のように周りの同業他社の動向を見てからでは、はっきり申し上げて生き残れません。他社より半歩あるいは一歩進めるスピードが必要です。

2)「トップの意思決定」

 よく組織論で述べられますが、事業構造を考え、組織体制を作ることも最終的には人の問題を考えながら進めるのは地場建設業の従来の方式であり、特に雇用を最重点に考えるのが地域建設業の一つの企業戦略であったことは今も変わりません。例えば従業員全員に対して従来の半分の給与で全員を再雇用すれば、単純には今の受注の半分でも生き残れるわけです。
 では実際に従業員全員の給与を半分にして事業を継続することになると、違う意味で企業としての問題が発生することになります。(雇用第一が企業目的の1つであるならば)
 上記の例は極端ですが、トップの意思決定とそれを実行ベースに移していくという継続された意識がない限り事業構成の対応と組織体制は変わりませんし、やがて企業は衰退し、最悪の状況になりかねません。
2.事業構造をどのように考えるか

1)事業構造をどのように考えるか

 具体的に事業構造をどのように考えるかにあたっては、基本的に緊急対策として考える項目と通常対策として考えられる項目をトップの頭の中にあるだけではダメで、文章化する必要があります。
 文章化の最近の例では「事業再構築計画書」が一般的になる可能性があります。これは中小建設業でも既に作成されています、中期経営計画書(3ヵ年経営計画)と似ていますが、記載されるべき内容は、中期経営計画書は一般的に今まではバラ色(?)に近い型に対して事業再構築計画書は財務的な面にもかなり力を入れ、実際的、実務的な計画であり、必要があればそのまま金融機関に提出する計画内容にもなっているわけです。(例えば要員計画がその際たるものです)
したがって、バラ色部分は極力はずし、実態で今後の会社経営をどうするかという計画書です。

2)事業構造の上位概念(経営戦略)

 事業構造の上位概念として経営戦略があります。今まで官庁の土木工事を主体に経営を実践なされてきた企業では、経営戦略の概念はどちらかというとさらに上位概念である企業理念等という型を取っていますが、今後必要になるのはこの上位概念を受けての経営戦略です。
 地場の建設業において、この経営戦略が具体的、実務的に作成されている企業はほとんどありません。今までの環境では考える必要性が比較的なかったのです。分かりやすく考えれば、リスク(言葉の定義が必要ですが)に対するシミュレーションと対応不足です。

具体的に図式化すれば、
事業構造図(経営戦略)

となります。

次回は「事業再構築計画書」の作成手順についてです。

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