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建設経営セミナー


■『建設業の事業再構築戦略』〜建設業の現状を打破する〜

「全体最適化のための事業構造をどのように考え、組織体制をどう作るか等について」(1)
【第59号 平成17年6月15日発行】
(株)日本コンサルタントグループ 経営コンサルタント 黒田 瑞祥
1.事業再構築計画書の作成手順

 計画書は必ずトップダウン方式で作成されなければなりません。全員参加型ではないのです(中期経営計画書はかなり一般社員を参加させる型で作成されてきましたが)。事業再構築計画書は「これでいく」という計画です。したがって社員に説明したときも何らかの形で軋轢が発生いたしますが、社長自ら基本的に社員に了解させる必要があります。

経営戦略に基づく会社概要の見直し 営業戦略、施工戦略、人事戦略、財務戦略の見直し(各部門戦略は各部門より提出させるが各部門戦略は参照のみとする)
会社概要の見直し 経営戦略に基づく会社概要の見直し
現状の問題点と
解決策の検討
自社の強み(必ずあります。ほとんどの経営者が明確に把握していない。企業規格が小さくなればなるほどその傾向が強い)、機能展開に基づくあるべき機能論、要因関連図作成に基づく課題の集約と優先順位の明確化⇔具体的戦略のドッキング。
 よく企業は課題を解決していく集団であると定義づけることがある。したがって時代によって課題の重要度(取組むべき優先課題)は異なる。社内であそこが悪い、ここが悪いと各部門の問題点が挙がってくるが、この問題点を解決しても根本的な課題の解決になりにくいケースが目立つ。(したがって真の問題=課題を解決しなければいつまでも問題点は違う形で発生する。)
 組織図の明確化(A1版で書いて社長の後ろの壁に貼っておいて毎朝眺めると課題が浮き上がってきます)
金融機関への依頼項目の検討 資金フローによる資金計画の実現と債務処理の明確化、役員報酬の見直し、株主の見直し
過去業績推移と今後の計画の検討 要員計画の見直しに使用する(リストラですでに対応済みの企業も多く存在します)
売上計画及び利益計画の検討 実現可能な売上計画(前年度に対して当年、翌年の予想はダウンもあります)
販売・管理費実績・計画(経費削減目標の再設定)
月次損益計画の検討 キャッシュフローによる月次損益の明確化と利益管理の徹底
財務計画の検討 借入金推移予想、固定資産一覧及び販売計画
次期損益計画 来年の利益計画の明確化、支払条件の見直し
具体的戦略の具体的計画 経営層の取組む課題、営業部門の取組む課題、土木部門の取組む課題、建築部門の取組む課題と具体的内容及び実施スケジュール

 上記の項目が基本的に作成しなければならない必須項目と想定される。財務面・財務計画の検討等で力を入れているが、従来の建設業のトップはこの領域に一番手をつけていない。経営戦略の策定と事業構造(事業領域)は戦略を誤ると企業としてはかなりのダメージを受けるので、現在の経営環境を考えればトップとしては非常に決断しにくいと考えられる。

 従来地場土木工事を中心にした建設業に対して新規事業(例えば農業)へといわれても社長を始めとするトップ層は非常にとまどいを感じざるを得ない。

 ずいぶん前になるが、木材と一般建築が中心の会社の事業構造(事業領域)を変更させプレカット工場を作ったことがある。当時新規事業としてプレカット工場進出にG0をかけたのは社長だけで、他の経営幹部が全員反対であり、かつメイン銀行さえ反対であった。幸いうまく軌道に乗ったが、まさに社運をかけての決断であり、もしプレカット工場を作っていなければ今頃は細々と事業を継続していると思われる例もある。

 このように建築に関してはいろいろな対応があり、現在も技術革新も含めてまだ進むべき方向づけは考えられるが、では地場の土木工事を中心にした企業が事業再構築を考えたとき一体何があるのか、また成功例はどんな例があるのか?
 次号で考えてみたいと思います。

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