HOME建設経営セミナー > 第65号

建設経営セミナー


■『建設業のコストマネジメント〜現状と進むべき道』(4)
   〜必要利益確保のためのコストマネジメント〜
【第65号 平成17年12月15日発行】
(株)日本コンサルタントグループ 建設産業システム研究所
経営コンサルタント 宍戸 利彰

1.建設VEの手法

手 法 適用対象 概要と特徴 ワークシート 標準的な時間
(1)基本VE ・計画全体
・構造物
・その他全般
いわゆる基本的な実施手順を着実に進める。時間はかかるが、最も確実な成果が得られる。 12〜15 10〜30以上
(2)ソフトVE ・施工法
・作業方法
・業務手続
・組織
施工法などに適した「工法VE」と、業務改善に有効な「管理間接業務VE」がある。工法VEは制約条件や問題点の機能化が特徴。
「管理間接業務VE」では問題点分析技法やFAST技法を利用して問題定義するところが特徴。
8〜10 10〜30
(3)簡易VE ・構造物
・仮設
・材料
・作業方法
いくつかの種類があるが、大きく分けて「3時間VE」のように基本手順に沿っているが全体時間を短くしたものと、各種の短時間VE手法のように、機能分析を簡略化して時間短縮を図る手法がある。
会合を数回に分けるなど工夫するとよい。
4〜6 2〜5
(4)個人VE ・材料
・作業方法
・簡単な仮設
工事担当者が、主として過去の事例から活用できそうなものを引用して、改善案に発展させるための方法。
日常業務の中から小さなテーマを見つけて実施する。
2〜3

2.VE導入推進上の留意点

 「わが社でもVEリーダーは確保したが、一向にVEができない」という企業担当者の嘆きをよく耳にします。まさに、ポリシーとマネジメントの欠如のせいです。以前も書きましたが、VE活動を進めるにはどちらも絶対に欠かすことができません。なぜなら、VEは個人の改善努力に期待すべきものではないからです。VE推進の目的すら社員に理解されていないようでは、成果を期待する方が間違っています。このような企業の経営者と担当者は、次にあげる点をまず十分に検討する必要があるでしょう。

1. VE導入目的の明確化
2. VE方針とVE計画の策定(中期経営方針・計画と連動)
3. VE組織と役割の明確化
4. 個別VE活動の計画と実施
5. VE実績の把握と評価
6. 継続的なVE教育と啓蒙活動
7. 事例集などの情報整備

3.VEは技術

 VEは技術です。学問ではありません。ですから、たとえVE手法を知ったからといって、それでVEができるということではありません。繰り返しVEをやる中から、機能で対象を見るということはどういうことなのか、どんな情報が必要なのか、自分の固定観念を取り除くにはどうすればよいのか、チームが目的達成に努力するためには何が必要なのか、こうしたことが少しずつわかってきます。最初は日常業務の中の小さなテーマから始めて、だんだんと複雑で重要なテーマに挑戦して行けばよいのです。

 次回は、VE能力を活かし組織力を結集するために行うVE計画について説明します。

【VE手法を研究するための参考文献例】
・「新・VEの基本」:産能大学出版武刊
・「建設VEの実践的活用術」:彰国社
・「VE研究論文集」:日本バリュー・エンジニアリング協会

<前へ 次へ>

目次へ戻る