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建設経営セミナー


■『建設業のコストマネジメント〜現状と進むべき道』(6)
   〜必要利益確保のためのコストマネジメント〜
【第67号 平成18年4月28日発行】
(株)日本コンサルタントグループ 建設産業システム研究所
経営コンサルタント 宍戸 利彰

1.問題点の抽出

 VE計画会議の最大のポイントは、なんといってもいかに多くのVEテーマと、それに対する価値あるヒントが出せるかにあります。テーマの抽出では、下図のように見積内訳書に沿って、各工事項目に対して考えられる問題点を次々に拾い出すようにします。同時に思いつくアイデアやヒントはもれなく記入しておきます。

見積書内訳と問題点の抽出



2.問題点の整理とVE実施計画

 問題点の抽出と改善のヒントのリストを作成したら、右図の判定基準により評価・整理を行い、VEの実施計画を決めます。ここで優先度は、経済的効果、技術的可能性、承認の可能性などを考慮して、現場担当者が中心となって決めます。評価ができたら下図のような表に整理し、いつVE検討を行うか、責任担当者は誰かなどを決めます。また、各項目に対してVE改善を実施した場合に期待できるコストダウン額を予想して記入します。実際のVE検討は、作業所のみで実施可能なものと会社一体となって行うものとに分類し、それぞれタイミングを重視して結論を出すようにします。現場担当者は、VE計画で出されたコストダウン額を考慮して施工計画の詳細な詰めを行い、「ぜい肉」をできる限り落とした現実的目標値としての実行予算を作成します。
VE優先度判定基準
A : 直ちに実行できるもの
B : 改善優先度が高いもの
C : 改善優先度が中位のもの
D : 改善優先度が低いもの

問題点の整理とVE実施計画
問題点および改善のヒント A B C D 予想CD額 期日 担当者
1.土工事              
1)伐採物をチップ化し、資源として工事に
  利用できないか
      300,000 04/15 ○○
2)床付深さを変更して残土を減らせないか       1,500,000 04/30 ××
3)床付を機械化して省力化できないか       450,000 04/30 ○○
4)盛土の転圧厚さを変更できないか       500,000 04/15 ××
5)丁張りの手間を減らせないか       100,000 04/15 ○○
6)埋戻しに流動化処理土を使って工期を
  短縮できないか
      250,000 06/30 ○○

   以下省略

             



3.VEはフォローアップが大切

 VE計画の仕組みでもうひとつ忘れてならないことがフォローアップです。現場担当者はVE管理表によってVE検討の進捗を管理し、実施結果を本社にフィードバックしなくてはなりません。本社ではそれらのデータをVE実績として整理し、将来の工事で使えるように整備しておきます。こうした地道な努力の積み重ねこそが、真のコストダウン力につながるのです。



 今回までの説明で、VEの本質と建設企業での適用の基本的な考え方が理解していただけたと思います。この知識をもとに、いよいよ次回からは本題であるところの原価企画の内容の説明に進みます。


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