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平成20年度予定の経審改正情報

■平成20年度に向けて経営事項審査の改正の方向性(その9)

【第9号 平成19年12月3日発行】
(株)日本コンサルタントグループ 建設産業システム研究所
神中 良行


 前回の(その8)までは各項目の改正に関する解説を行っていましたが、今回からはこれらの改正でどのように影響を受けるのかを検討していきます。今回は、完成工事高(以降完工高とします)に関して検討しました。

 

 

 完工高評点(X1)は、総合評定値P点に対して現行経審でウエイトが35%でしたが改正経審では25%と10%ウエイトが下がります。また、完工高の上限値が2,000億円から1,000億円になることにより、大手企業対して評価が大きく減少する改正ということになります。
 しかし、完工高評点(X1)に関していえばその通りかも知れませんが完工高そのものを注視すると下記の項目を検討していかなければなりません。

 

1.
技術力評点(Z)における元請完工高の加点

 技術力評点(Z)の総合評定値P点に対するウエイトが20%から25%と5%アップします。技術力評点(Z)の元請のマネジメント能力を量的に評価するために元請完工高が技術者数と並行して業種別に評価されることになります。大手企業は殆どが元請として受注しています。今回の改正で、今だ不明な点として元請が官公庁工事に絞るのか、あるいは民間工事を含めて全ての元請を合わせた金額か、どちらにしても大手企業は元請完工高の割合は大きいものと推測されます。
 また、技術職員評点と元請完工高評点がおおむね 4:1 の比率といわれていますので、元請完工高の評点は5%程と考えることができます。よって、その5%が完工高評点(元請完工高)と見なすことができます

 

2.
自己資本額・従業員数評点(X2)における絶対額評価の導入

 自己資本額・従業員数評点(X2)においては、従業員数評価が廃止され、同時に自己資本額評点(X21)も年平均完工高の割合計算から絶対額に変わり、従業員数評点(X22)は利払前税引前償却前利益EBITDA(営業利益+減価償却費)になり絶対額評価となります。
 自己資本額もEBITDAも利益を得なければ評価が高くなりませんが、自己資本額が充実し、利益を出したときの絶対額は他の企業と比較して多くなります。従って、利益さえ出ていれば中小企業と比較して高い評点を得ることができます。(具体的に点数差がどれくらいあるかは詳細な計算式が未発表のため解りません)よって、これらの項目を加味することにより、大手の完工高評点ウエイトが10%落ちたことに充分補えることと考えられます
 さて、逆に完工高が少ない企業に関しては、今回の改正は大きく評点の減少につながってくることが予測されます。完工高評点X1の10%ウエイトが減少したことと、元請完工高比率が大手より少ないことから総合評定値P点では大きく減少すると予測されます。また、自己資本比率や売上高営業利益率が高かったとしても、絶対額に関しては中堅・大手と比較すると少なくなることは間違いなくX2評点も減少の傾向になると思われます。
 さらに、完工高がゼロの時のX1評点は、580点から400点に引き下げられますので完工高の少ない企業の完工高評点X1はかなり減少することでしょう。実際には完工高がゼロということは近年工種別工事実績がない企業ということになりますので他の経営状況評点Yや技術力評点Zの点数が高くても完工高評点は低いということになります。いわゆるペーパーカンパニー排除の役割が大きく効くことになります。
 大手・小企業に関する評価は上記に述べた通りですが中堅・中企業に関しては詳細計算式が発表されないと検討しづらいのですが、元請完工高比率の高さと営業利益額の確保が完工高のウエイトダウンをカバーする要因となることは間違いなさそうです。これらの具体的なシミュレーションは詳細計算式やテーブル表が発表された後で行いたいと思います。

 

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