HOME業界動向ウォッチ平成20年度予定の経審改正情報 > 第17号

業界動向ウォッチ


平成20年度予定の経審改正情報

■現行経審と改正経審の評点比較検討(その1)

【第17号 平成20年4月10日発行】
(株)日本コンサルタントグループ 建設産業システム研究所
神中 良行


 

 今回と次回は現行経審と改正経審の比較について解説を致します。
下記の表は、現行経審と同様の内容を改正経審で評価した表です。

【 企業規模別の経審評点比較表 】
企業 経審 P X1 X2 Y Z W 平均完工高
小規模
Y点 (高)
現行 958 826 945 1263 902 940
土木
2億4千(万円)
改正 879 802 718 936 859 936
差異 -8.2 -2.9 -24.0 -25.9 -4.8 3.5
中規模
Y点 (中)
現行 950 1092 592 670 1152 960
土木
18億(万円)
改正 957 1092 657 621 1090 1260
差異 0.7 0 11.0 -7.3 -5.4 31.3
中堅規模
Y点 (低)
現行 1067 1237 806 574 1465 973
土木
30億(万円)
改正 1138 1237 964 730 1386 1280
差異 6.7 0 19.6 27.2 -5.4 31.6

 上記の表は、完工高別に小、中、中堅規模の3社を比較しました。
 小規模企業は現行経審でY点がかなり高く、Y点がP点を押し上げていました。しかし、改正経審ではY点は約26%もダウンしておりP点を下げる原因となっています。また、同様にX2点に関しても改正経審で24%も下げており、Y点同様に下げた原因となっています。
 中規模企業では、Y点こそ7.3%下げていますがX2点は11%のアップとなっています。また、W点は大きくアップしています。
 中堅規模企業は、X2点、Y点、W点で評点が大きくアップしています。これらの3社は規模に注目してピックアップした企業ですが、今回の経審は規模が大きいほど有利といえるのでしょうか。各項目ごとの詳細について検証して見ましょう。

 

年平均完工高評点について

 年平均完工高の評点テーブルを現行経審評点テーブルと比較すると次のことがわかります。
 年平均完工高5億円から1000億円までの式は、現行経審と改正経審は全く同じものです。改正経審での違いは、5億未満から0円に近づくほどに改正経審のX1評点は下がり、1000億から2000億円までは、1000億円の評価となりました。
完工高 0 1億 3億 5億〜1000億
現行X1 580 728 851 902  2268
改正X1 390 699 828 902  2268
差異% 67.2 96.0 97.3 100    100

 右表のように、年平均完工高が0円のときは32.8%下がり、5億円以降はX1点は同じ評点となります。

 

自己資本額及び利益額評点について

 X2点は、現行経審と比較して評点幅が大きくなりました。118点〜954点であったものが454点〜2280点と倍以上に広がりました。この分評点に差がつくこととなります。
 もう一つの特徴として絶対額評価になったことです。現行経審は、年平均完工高と比較した自己資本額の評価であり、同様に年平均完工高と比較した従業員数を評価するものでした。
 したがって、小規模企業でも自己資本の充実と一定の従業員がいれば満点の954点を取ることができました。しかし、絶対額評価では完工高の規模とは関係なく額の大きさだけで評価することになりました。

金額 自己 利益
0
100万
1000万
5000万
1億
5億
10億
50億
100億
300億
500億
1000億
3000億
361
383
584
669
715
849
921
1134
1249
1467
1586
1768
2114
547
554
625
694
724
917
1035
1475
1771
2447
 右の表は、自己資本と年平均利益の額に対する改正経審の評点を表したものです。
 自己資本額評点(X21)は、規模と関係なく自己資本額を自己資本額テーブル表の線形式で計算し求めます。
 同様に年平均利益額評点(X22)も同様に年平均利益額を年平均利益額テーブル表の線形式より求めます。

 左上の企業規模別経審比較表の小規模企業はX2点が現行経審で945点と満点の954点にほぼ近い点数を取っていました。しかし、改正経審では718点と24%ダウンしています。仮にこの小規模企業が今までと同様のX2点を改正経審で取るためには、自己資本額が13億4千万円(X21=954点)、年平均利益額が6億4千万円(X22=954点)必要となります。年平均完工高が2億4千万円の企業にはとても達成できる数値ではありません。現行経審のX2点より数値を伸ばすためには、自己資本比率ではなく、一定の規模が必要となるのです。

 また、現行経審で経営状況の指標である自己資本比率の平均値は33%ほどです。中規模以上では年間完工高と総資産とほぼ同じと考えると、X21点を現行の満点954点となる規模は、完工高が40億円前後(13億4千万×3倍)の企業でないと達成しないことになります。
 左上の企業別中堅企業クラスでなければ点数幅が広がったとしても充分にその効果を得ることができないといえます。年平均利益額も、減価償却実施額と営業利益額の合計した平均額で自己資本以上に額を確保することは難しいことかもしれません。

 このように考えるとX2点は、自社と同様規模での比較評価となり、規模が大きく違う企業との評価の差は大きくなるでしょう。

− 注意 −
・現行経審
平成20年4月施行する前の経審
・改正経審
平成20年3月以降の決算で平成20年4月施行の経審
・経審の各評点
P点(総合評定値)、X1点(年平均完工高評点)、
X2点(自己資本額及び利益額評点、現行経審では自己資本額及び従業員評点)、
X21点(自己資本額評点)、X22点(利益額評点)、Y点(経営状況評点)、
Z点(技術力評点)、W点(その他の審査項目評点)

 

「平成20年度予定の経審改正情報」の一覧へ戻る



全国の建設CALS/EC情報が満載!!「RICOH 建設CALSニュース」による情報配信サービス。