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CALS推進室

第2回:問題勃発!!


初めてのヒアリング
稲上編集長 いよいよ私の初仕事です。
今日は、IT委員会の中でも世話役的存在の方々に集まっていただき、社内のITに対しての現状などをヒアリングさせていただき、今後の参考にするための打合せです。
それでは、参加者の皆さんから自己紹介をしていただきましょう。香川さんからお願いします。
香川 それでは、私はご存知ですよね。写真の左端にいるのが、リーダーの香川です、皆さんから見て、私の右隣が森チーフです、そして右隣が関連会社でシステムの責任者の古志野所長です。一番右端が総務部の佐々木主任です。
森さん 積算グループの責任者をしています。CALSは知ってはいますが、まだまだすぐには展開しないと聞いています。まぁまずは、利益を追求するためには、より品質の高いコスト管理が重要になってくると思います。工事の分野であるCALSやIT化は、興味が無いわけではありませんが、まずは、コスト管理が厳しくできる環境つくりを推進しています。
古志野 (株)栗本では、社内事務処理の効率化を考えて昭和52年よりオフィスコンピュータを導入して、財務管理や原価管理等のシステム化を図ってきました。その分野の基盤を支えているのが、(株)クリショーの役割です。今回は、得意のIT分野で業務効率化を推進するといった、先進的な取組みなので、今から楽しみです。ITのことなら任せてください。
佐々木 総務だって頑張りますよ!今回は全社的な取組みなので、縁の下の力持ち的存在で、皆さんを支えていくつもりです。どんどん何でも相談してくださいね。
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具体的なヒアリング
環境
稲上編集長 それでは、具体的に社内のIT化について、お伺いしていきます。できるだけ詳細を教えてください。
パソコンの配備状況は・・・
香川 一人1台には至っていません、しかし各現場には最低1台はあります。
稲上編集長 インターネット接続環境は・・・
香川 各現場によってまちまちです。ADSLやケーブルTVを引いているところもあれば、ISDNを使用しているところもあります。場所によっては有線対応ができないので、PHSで対応しています。
稲上編集長 現場ではパソコン同士はLANなどで繋がっていますか・・・
香川 いや、まだそこまでは整備できていません。ただし、特定の社員だけは、試験的にグループウェアを使い始めて検証しているところです。
稲上編集長 特定の社員ということですが、どういった基準で選ばれているのですか・・・
香川 特に基準はなく、有志10名からスタートです。
稲上編集長 周辺機器の配備具合はどうでしょうか、まずデジタルカメラから教えてください・・・
香川 まだ普及率は10%程度でしょうか。発注者からの依頼が無い限りは逆に今まで通り一般的なカメラを使っています。
稲上編集長 スキャナーは各現場に、配備されていますか・・・
香川 いえ、スキャナーはほとんどありません。まだ、電子納品が始まっていないので、今のところ必要性は感じていません。ただし、プリンターは各現場に配備されています、A3のものはあまりありませんが、A4のインクジェットプリンターは、ほぼ全現場配備されています。
稲上編集長 (むむむっ、思ったより環境が整っていないかも・・。)


個人スキル
稲上編集長 それでは、個人のパソコン習得能力をお伺いします。まずは、すべての資料はパソコンを利用して作成されているのでしょうか・・・
香川 それはまだ出来ていません。ただし定型書式や社内帳票などは、ほぼすべての資料は電子化されています。活用状況は今ひとつですが。
稲上編集長 文章作成時に、白紙から作れる能力をお持ちでしょうか・・・
香川 皆独学で覚えてきたので、自分のスタイルに合った形であれば作成できますが、役所の提出書類などは、自治体によって書式がまちまちで、スタイルを揃えることが出来ないので、事務の女性にお願いしています。
稲上編集長 CADは統一されたものを使われていますか・・・
香川 建築と土木とでは異なったCADを使っています。
稲上編集長 PDFを知っていますか・・・
香川 知っていますが、閲覧しかしたことがありません。


電子納品の理解度
稲上編集長 いままで、国土交通省から発表されている電子納品に関しての基準(案)などは知っていますか・・・
香川 はい、それは国土交通省のホームページからダウンロードして、紙に打ち出したものを持っています。
・ CAD製図基準(案)
・ デジタル写真管理基準(案)
・ 地質調査資料整理要領(案)
・ 土木設計業務等の電子納品要領(案)
・ 工事完成図書の電子納品要領(案)
などですよね。
稲上編集長 そのとおりです、それでは実際に電子納品を体験された方はみえますか・・・
香川 まだ、納品対象現場が出ていないので、正式な形では納品したことはありません、今後発注者から依頼が出てくると思いますので対応できるように、基本を勉強しているところです。
稲上編集長 高松さん、ヒアリングしてきた状態で、高松さんが関わってきた他の会社と比較すると、ITの浸透具合はいかがでしょうか?
高松さん いや、まったくの一般的なレベルだと思いますよ。特に早く進んでいるわけでもなく、かといって遅れている状態でもないと思います。私が相談を受ける会社の状況とほぼ同じです。
稲上編集長 (本当かしら?なんだか、思っているより遅れている気がするんだけど)そうですか、ではこのIT委員会での最終的な目標とする、環境と個人スキルと電子納品の理解度とは、どの程度を目標に掲げれば良いでしょうか?具体的に教えてください。できるだけ、細かくお願いいたします。


高松さん この一覧表は、「建設IT 完全対応型技術者」の目標を掲げたものです。いつもこの資料をもとに、それぞれの会社や個人の能力に合わせて、目標設定を決めていただきます。それも工程(スケジュール)・品質(達成レベル)・コスト(掛ける時間や内容)の3要素を具体的に数値で決め込んでから、それに合った教育や、環境設定をしていくと、より高い効果が得られます。第1回でも出てきましたが、事前に目標とすべき内容を、できる限り細かく設定して具体化することにより、より有効な対策が練れるのです。
稲上編集長 なるほど、このように目標一覧があると、自社での目標が定めやすいですね。
香川さん、いかがでしょうか?
香川 そうですね、目標は定めやすいですね。しかし、この状態に自分自身がいつなれるのか?といわれると、とても予測できません。このレベルの人が会社には何割ぐらい必要なのでしょうか?
稲上編集長 そうですね、すべての人が「建設IT 完全対応型技術者」になるのは大変ですよね、高松さん、具体的な割合を教えてください。
高松さん そうですね、それもよく聞かれる質問なのですが、それは会社の方針になりますから、経営陣に決めてもらう必要があります。ここまで成長するためには、個人の頑張りもありますが、教育や環境整備に対してのコストが大きく関わって来ます。ですから、戦略的に検討いただき、より効果の高い準備をされることを奨めています。具体的な推奨提案は、皆さんの意見を一通りおうかがいしてから説明しますね。
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なには、ともあれ勉強会を実施!
稲上編集長 だいたい、ヒアリングは終わりました。総合的な評価としては、とても一般的なレベルで、特に遅れているわけでも無いことが判っただけでも進展です。さて、ここからより具体的に進めていくには、何から始めれば良いでしょうか?
高松さん まずは、指導者教育から始まります。それを進めながら、具体的な戦略を全体の指導者になられる方と練っていきます。ですから、幹部勉強会を開催する準備を始めてください。
稲上編集長 みなさんどうでしょうか?時間を作っていただき、さっそく幹部勉強会を開催しませんか?
香川 そうですね、いろいろと聞いていたら、すぐにでも動かなければならないようですね。みんな忙しいでしょうが、力を貸してください。
古志野 了解!それでは、皆に連絡したり案内を作るのは、僕が担当するよ。幹部のメンバーは、IT委員会の世話役の方々の3人、そして、私たち3人合わせて合計6人で良いですか?
香川 そうだね、それくらいが適当だろうね。善は急げだ、早速開催準備に取り掛かろう!!。
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問題勃発!
香川 それでいいですよね、森先輩。
森さん おいおい、おれは無理だよ。だって今、大型物件が取れるかどうかの瀬戸際で、見積グループはそれどころじゃないんだよ。悪いけど俺をのぞいた他の人達で進めておいてくれよ。大体CALSや電子納品自体は、工事部が大きく関わって来る事だから、我々は関係無いんだよな。今は・・・・。
香川 いや、そうは言っても、さっき高松さんも「全員参加が理想」だって言っていたじゃないですか。
古志野 そのとおりですよ、森チーフが出ていただかなければ、見積グループからは誰も参加しないじゃないですか。せっかく前に進みかけたのですから、一緒にやっていきましょうよ。
森さん うるさーい!そんなこといわれても、見積期限はせまっているんだよ。その現実はどうしてくれるの?だれか代わってくれるの?そんな理想ばかり言ってても、現実とはかけ離れているんだよ。見積グループは夏以降に参加するよ。いいだろ、やらないって言っているわけでは無いんだから。それじゃ!
稲上編集長 (あ〜〜〜出て行っちゃった・・。気まずい雰囲気になっちゃったな)えーっと、それでは・・。どうしましょうね?ええと、まず、ひとまず、休憩かな。
 
 
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