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第3回:さて教育開始!
先回の打合せでは、話の途中で怒って退席してしまった、見積部の森チーフ。今後どのように進めていけばよいのでしょうか?
取組みが始まってすぐ「問題勃発!」どうなることやら、先行き不安です。でも、これぐらいでへこんでいてはだめですね。よし、前向き前向き!!高松さん、こうして内部での協力が得られない場合は、どう解決していけばよいのでしょうか?
はい、まずは問題を明確にすることです。新しい取組みですから、必ずリスクはつきものです。その問題点を明確にして、解決策を立てればよいのです。
「人を見ずに物を見て判断する。」
ことが重要です。
「人を見ずに物??」
そうです。今回の件で森チーフが提起した問題点は、「やる気はあるけれど、取り組む時間がない。」ということです。ですから、これを解決するためには、森チーフが取組みに参加できるように、
本業の負担を分散することが解決策
なのです。
普通こういったときに人を見て対応すると、「あの人は自分が参加するのが億劫だから・・。」と後ろ向きな考え方になってしまうので、プロジェクト全体が停滞してしまいます。皆忙しい中での取組みですから、こうした場合はこの場限りで解決するのではなく、根本的な解決をしておく必要があります。こういう事態はIT委員会の委員長でもある古川部長に調整を取っていただくことが、一番の解決策でしょう。
香川さん、古川部長に調整をお願いしますね。(香川さん、自信なさげにうなずく)
それでは、その間に幹部教育のヒアリングを行いたいと思います。高松さん、一緒にお願いします。
はい、ではプロジェクトリーダーの香川さんに伺っていきます。まずは教育といいましても、大きく2つに分類されます。
一つは、「IT基礎教育」と、「CALS/EC教育」です。ほとんどの取り組みの場合、始めの「IT基礎教育」を省いてしまいがちですが、実はここに大きな落とし穴があるのです。
落とし穴?!(思わず声が裏返っちゃった。)
「うちの社員は、以前から結構パソコンは触れるから、基礎教育は必要ないですよ。」と言われる方もいますが、実はこれが一番重要だと思っています。
今までのように、
パソコン同士がそれほど連携されずに単独での使い方が主だった時は、お互い独学でも良いでしょうが、今後ASPを使って、頻繁に情報交換することが主流になってくると、一定の決められたルールに沿った使い方が出来ていないと、何を取り組んでも統一性が無く、全体に効率があがらない
のです。
例えば、
FAX送信表などの帳票でも、作業所内で使っている書式が個人によってバラバラに使っていることなどがありませんか。このような場合は、ほとんどがパソコンの良い所を使わずにワープロ代わりにしか使いこなせていないのです。
「ITの基礎教育」
基本から学ぶことは遠回りのようですが、チームとしてのIT化には、とても有効なのです。
そうすると今回はまず「IT基礎教育」についての幹部教育となるわけですね。それでは香川さん、この基礎教育で習得したいレベルを具体的に教えてください。
そうですね、そういわれても具体的にはなかなか思い浮かばないですね。
例えばワープロとか表計算とか?その他のソフトで習得したいものはありませんか?
それはいろいろあります。まぁワープロや表計算も覚えたいですが、やっぱりCADや工事写真ソフトや電子納品ソフトなどは興味がありますね。電子納品に必要なPDFも習得したいですね。
そうですね、たくさん習得したいソフトはありますよね。では優先順位はいかがでしょうか?今すぐ必要なものは何でしょうか?
そうですね、それは人それぞれ違うので、各自に聞いてみないと判らないですね。
んー困ったなぁ。
問題は判ってきましたが、どうやって整理を付けていけば良いのでしょうか?高松さん教えて!!
「IT基礎教育」問題点
習得したいソフトがはっきりしない。
習得する順番が人によってまちまちである。
一般的なソフトと、電子納品に関わるソフトの習得順序が明確でない。
判りました、任せてください。まずは、習得したい項目は、ソフトウェア単位で考えるのではなく、
作る資料で考える
と整理がしやすくなります。
例えば、工事管理の中で実際に作成する資料を思い浮かべてください。香川さんいかがですか?
そうですね、例えばFAX送信表とか、自主検査報告書などがありますね。
(※画像をクリックすると拡大図が見られます)
例えば、このFAX送信表でいうと、ワードの「テンプレート機能」や「ウィザード機能」をマスターすることが必要です。自主検査表の場合では、エクセルの「セルの固定」や「画像の挿入」などをマスターする必要があります。
このように、何を習得するかを先に考えるのではなく、
「何を作るために、どの機能を習得する必要があるか?」
を考えればよいのです。これで、習得するべきソフトウェアの種類と機能を洗い出すのです。
次に習得する順番を考えていきます。
それは、どのように順番を決めていくのでしょうか?洗い出した物の中から、比較的簡単なことから進めるのでしょうか?
いえ違います。現場の進捗と同じように考えると、習得する方にとっても、馴染みやすいのです。香川さん、工事の手順に沿って使う資料を揚げて行ってください。
そうですね、まずは契約関連書類と、工事着手時提出書類などですね。次に、工事の進捗状況を報告する資料ですね。ここまではワープロや表計算ソフトなどで対応できると思います。
なるほど、なるほど。でも電子納品には、資料をPDFにしなければならないのでは?
さすが編集長!その通りですね、ですからワープロ・表計算を習得したら、それをPDF化することを覚えます。そしてその資料を先方に届けるために、メールの設定なども習得しなければなりません。それも自分ひとりができる環境を作っても仕方ありません。全体を設定できる能力を持つことが必要です。
できれば、CADや電子納品のために、工事写真ソフトや電子納品ツールの使い方を覚えたいのですが・・。
それは、「IT基礎教育」を習得するまでは、待ったほうが良いのですね?
はいそのとおりです。まずは、「IT基本教育」に90分×20回=30時間かかると思ってください。これは、事前にヒアリングした内容で、当社で作り上げた「オリジナルテキスト」の500ページの中から、習得したい項目を300ページほど選択します。
一部公開
しています。
300ページ!!
そうです、300ページです。でも90分の講座1回当たり、15枚のテキストですから、そんなにすごい量ではありません。会社によって、習得したい分野が若干異なるので、それに対応できるように500ページの中から選択するのです。
今回ヒアリングした結果はこちらです。この時間割に沿って、みっちりと「IT基礎教育」を実施します。
これで「IT基礎教育」については、大体目処がたちましたが、「電子納品のための教育」はその後に始めるのでしょうか?
そうです、その後に始めます。ただし、今回は幹部社員のみの教育となりますが、その後は幹部社員の「電子納品のための教育」と、一般社員の「IT基礎教育」を同時に教育を行っていくのです。
そうしなければ、全体の教育が終わるまでに、時間がかかりすぎてしまうからです。今回の栗本さんのように、集中的に教育を行う時間を割ければ良いのですが、一般的には週1回夜集まる程度ですと、始めの教育だけでも3ヶ月掛かってしまいます。
全体の教育が終了し、効果が現れるのは、少なくとも1年は掛かると思ってください。これは、ある企業での具体的な取組みスケジュールです。
これでようやく、「IT基本教育」の基本方針が決まりましたね。でも、結構ヒアリングって難しいものなのですね。
そうですね、
始めに取り組み後のイメージを、双方で確認しておかないと、成果が出ないことがありますので、詳しいヒアリングは重要です。
さて、いよいよスタートラインに立った気がします。方針がはっきりと出たこともあって、方向性が見えてきましたね。あとは、実際の教育スタートですね。おや、向こうから笑い声が・・。森チーフのようです。どうやら古川部長がうまく調整をして下さったようですね。これで準備OK!いよいよ「IT基本教育」の開始ですね!
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