HOME
>
業界動向ウォッチ
>
CALS推進室
> 第9回
第9回:電子納品のツボ「事前協議」
前回までで、栗本さんもRICOHとしても「中間地点での見直し」を掛けることにより、今までの取り組みを全体的に眺めることが出来たので、いい意味での整理が付いた気がします。
今までは「教育」が中心でしたが、いよいよこれからは実作業である「事前協議社内標準」の作成に入っていきます。以前も高松さんは「事前協議が最重要」とおっしゃっていましたが、具体的に教えてください。
私が全国各地で開催している「CALS/ECセミナー」では、電子入札に質問が集中しますが、電子入札は操作方法さえ覚えてしまえば大変なことでは有りません。
各地での方式がまだ確立されていないことや、この4月から電子入札のシステム
※
が変更になるということもあり、情報の収集だけはいつも気に留めておく必要はありますが、いずれも建設CALS支援センターの中で最新情報を入手できるので、あまり心配する必要は無いとお話しています。
※
現在の、国土交通省独自システムが平成15年度より、電子入札コアシステムに移行予定
ありがとうございます。
電子入札は「
電子入札体験
※
」コーナーで体験していただけます。
※
当サイトの「電子入札体験」は、国土交通省の独自システム(平成15年1月現在)を参考に制作しております。最新情報は
TOPページ
の新着情報にてご確認いただけます。
そうですね、電子入札はあくまでも操作方法を覚えてしまえば、さほど問題ではないでしょうね。やはり問題は「電子納品」だと言うことでしょうか?
そうです。現在各地で試行的に「CALS/EC実証実験」が行なわれていますが、いろいろな問題点が出ているようです。
例えばどのようなことなのでしょうか?
電子納品基準(案)が受注者・発注者間で、はっきりと理解されないまま進められてしまうので、考え方の相違が工事期間中に出てきてしまうのです。工事期間中であればまだ傷は浅いのですが、納品時にこれが発生してしまうと、大変な作業量が発生してしまうのです。
国土交通省もこうした問題を回避するために「事前協議」を必ず行なうように指導をしています。それを受けて工事着手時に双方で「事前協議」を行なっていても、問題が発生しているケースもよく見かけます。
「写真整理や書類作成に追われ、いつもより職員が一人余分に必要になった。」といったケースも珍しくないようです。
なぜ「事前協議」をしても、うまく進まないのでしょう?
成果品のイメージが現物としては無いので、お互いの感じ方の違いによって相違点が出てきてしまうのです。そこで私がいつも勧めているのは、会社の「事前協議社内標準」を作りましょう。とお話ししています。これは、今までにすでに完成している工事のデータを基に、電子納品要領(案)で定められている形で電子納品のスタイルに作り上げてしまうということです。
電子納品に限らず、IT化での大きな問題点として「出来上がりのイメージを現物で確認していない。」ことが挙げられます。こうした
問題点を解決するためには電子化された「事前協議社内標準」はとても効果的
なのです。
なるほど初めての取り組みですから、
お互いに出来上がりのイメージを共通化しておくこと
は重要なことですね。
それでは、さっそく打合せを始めていきましょう。
電子納品の「事前協議社内標準」を作るということですが、具体的にはどのような方法を取っていくのでしょうか?
まず、以前に完了した工事の電子化された資料を、香川君に「信号チェック」でピックアップしてもらいました。その資料をIT委員会にて、対象にすべき資料を絞り込みました。
その絞り込んだ資料を委員会のメンバーに配布して、実際電子納品変換をしてもらいました。そのときに感じた不具合や質問などを各自でまとめた後に、それぞれの電子化された資料を見ながら打合せをすることにしました。
その資料の数は多いのでしょうか?
いえ、それぞれの対象資料や写真、図面など最小限のものを数枚ずつです。
数量が問題ではなく、指定されている対象書類をまずすべて電子納品変換することで、全体を通して体験することにより、問題点を一気に出すことが出来るからです。まぁ
「山の下から見ても一部しか見えませんが、山の上から見れば全体が見渡せますからね。」
森さんかっこいい(ほれぼれ)!!
まあ、チーフとしては当たり前のことですが。
(・・・・なんだか森さん一人が目立っているなぁ。実際に資料をピックアップしたのは僕なのに・・。)
それでは皆さんに渡しておいた電子資料を、実際に「電納Pro.」に入れてもらいましたが、何か感じたことや問題点、疑問点を上げてください。少し、灰皿&タバコが気になりますが・・(PCなど細かいちりを嫌います。たばこの灰も。ご注意を!!)
いやーなかなか時間が無くて完璧には出来ていないのですが、ひとまず「電納Pro.」には入れるだけ入れてみました。まだ電子納品変換作業はしていないのでよく分からないのが現状です。
私も「電納Pro.」に入れてみましたが、なんとなく分かりづらいのですよね。操作には問題は無いのですが、実際の作業を想定すると全体の流れが理解出来ないのですね。
市田君も川本君も電子納品と、通常の工事管理時のファイル管理がごちゃまぜになっているのではないのかなぁ。
電子納品と通常工事管理のファイル管理は違うものなのですか?
それはそうですよ、工事管理するときには工種ごとにフォルダを階層に分けて工程ごとや、承諾済み・未承認などのファイル管理をしていますから、電子納品で求められている親フォルダだけでは管理できないのですね。だから作業用のフォルダで工事期間中は管理をして、承諾を得た資料などを「電納Pro.」にその都度入れていく方法じゃないと管理しにくいのではないかと、整理しながら感じましたね。
そうですね、
(社)日本土木工業協会・ CALS/EC部会(以下、土工協)
から出されている「工事完成図書電子納品要領(案)手引き書」の中でも、
「作業用フォルダ」と「成果品のフォルダ」に分けて管理することが効果的
だと書かれています。
すごぉーい。さすが香川さん!!
それほどでも・・。(そうでしょそうでしょ、何ていっても主役は私ですから)
フォルダの考え方はそれで解決ですね。それでは実際に事前協議の検討に入っていきましょう。さて、どのように進めていけばよいでしょうか?
国土交通省の電子納品ガイドラインで検討を進めるよりも、先ほども紹介した、土工協から出されている「工事完成図書電子納品要領(案)手引き書」を参考に進めていかれるといいでしょう。この資料は「パソコン初級〜中級程度の現場職員」を想定して作成されているので、電子納品の解説本として非常に分かりやすくまとめられています。
そうですね、非常に分かりやすくまとめられていますね。これなら大丈夫かも。ではさっそく進めていきましょう。まずは事前協議の流れですが、下記のように進めていきましょうか。
事前協議の流れ
1.
納品対象書類の決定
2.
ファイル形式の決定
3.
書類やり取りのルール決定
4.
検査時の対応方法の決定
これについては、もう解決済みですね。香川さんが数多くの資料を「信号チェック」で3段階に選別したものを、IT委員会で資料を絞り込みましたよね、
最初は煮詰まってしまいましたが「信号チェック」の話を聞いてからはずいぶん気が楽になって、スムーズに進みました。
そうだよね、あくまでも受注者側からの提案なので出来る範囲を提案して、それを基に発注者側と検討できる資料と位置付ければ、大きな負担を感じなくて進めるね。
今回の方式は初めてでも分かりやすくて効果的だと感じました。
電子納品の流れ
1.
対象書類の「信号チェック」による資料のピックアップ
2.
IT委員会での資料の絞込み
3.
電子納品ツールによる「電子納品変換」
これについては先ほど市田君や川本君の話にあったように、実際に電子納品支援ツールで整理し始めると、「電子納品作業」と「通常の書類整理作業」との違いによる違和感を感じたよね。
そうです!そこで私が提案したのは、
「作業用フォルダ」と「成果品のフォルダ」に分けて日常管理
する方法です。
でもそれって土工協の資料に載ってたんでしょ。
私は土工協の資料は知らずに、あくまでも自分で感じたことを言ったのですよ!
ホントかなぁ・・・・。
まぁまぁお二人とも。
香川さん具体的に教えてください。
資料を整理することを考えると、はじめから命名規則に沿った名前をつけていくと次のようなストレスを感じました。
問題点:
1.
日常的な資料整理は日本語名のほうが慣れている
2.
命名規則の制限では資料の分類分けが難しい
3.
打合せ時期と決定時期のずれなどにより、初めにつけた番号と順番が変わるときがある
そこで、
日常的には「日本語ファイル名」で深いフォルダ階層で管理し、決定していく資料を「電子納品ツール」にその都度蓄積していく方法を取ることが効果的
だと思いました。
言ってる事は分かるんだけど、実際に見ていないのでよく分かんないだよね・・。
今日の打合せでその方向性が決まったので、次回までに分かりやすく作ってきますよ。
そうですね、それでは香川さんの資料に期待をしています。事前協議の流れも、2番まで進みましたので、次の回では残りの項目を進めて行きたいと思います。皆さんよろしくお願いいたしますね!
いよいよ大詰めになって来た「CALS推進室」の取り組みも、中間の見直しの効果もあり、方向性が明らかになってきた気がします。皆さんの会社ではいかがでしょうか?準備は万全でしょうか!
目次へ戻る