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CALS推進室

第10回:最終回


稲上編集長 昨年7月からスタートした、栗本さんの「電子納品対策」も山場を迎えました。電子納品で一番重要なポイントである、受注者が発注者に提案するための「事前協議」社内モデル作成も大詰めです。
さあ、会議が始まったようです、森さんもが今日も元気に張り切っているようですよ!
森さん はじめに、皆さんに「電納Pro.」を使ってまとめていただいた電子納品のデータを、国土交通省のHPからダウンロードできる「電子納品・保管管理システム チェックシステム」で実際にチェックして見ましょう。
http://www.cals-ed.go.jp/index_dl.htm

ちなみに一番エラー数が多かった人が、皆に一杯おごることにしましょうね。
全員 え〜〜〜!!
浜尾さん それでは、まず私から!
森さん おっと、やる気十分ですね。では早速やってみましょう。今日は私のパソコンでチェックしてみます。
※解説(国土交通省HPより引用)



















ファイル名などのチェック
ファイル名・フォルダ名やフォルダ構成を確認します。
管理項目のチェック
管理ファイルに記入される必須記入項目の有無や使用文字数、使用禁止文字を確認します。
管理ファイル(XMLファイル)の文法チェック
管理ファイル(XMLファイル)がXMLの文法に則って作成されているかを確認します。
PDFファイルのセキュリティなどの確認
PDFファイルの初期表示ページの設定、セキュリティの状態などを確認します。
CADファイルのレイヤ名のチェック
CADファイルに記入されるレイヤ名がCAD製図基準(案)に従い作成されているか確認します(P21形式のファイルのみ)。(Ver3.0)
ボーリング交換用データのチェック
ボーリング交換用データに記入される必須記入項目の有無や使用文字数、使用禁止文字を確認します。(Ver3.0)
森さん さて、結果はいかに・・・。エラー項目が出ましたね。
書類関連が2個のエラーが出ましたね。ふふふ・・・。
浜尾さん あれ〜、おかしいなぁ。何がいけなかったんだろう?
森さん まず、工事情報の中の「工種」でエラーが出たみたいだね。浜尾君の選択した工種「道路改良」がコリンズデータとは違うということだね。コリンズ情報を見てみると、選択工種の中には「道路改良」が含まれていないからね。
浜尾さん ソフトウェアの工種選択の中に適当な語句が無かったので、自分で登録したからかなぁ。
稲上編集長 そうですね、「電納Pro.」の機能では、工種選択欄にコリンズデータがはじめから登録されていますので、その中から選択してくださいね。
森さん 他のエラーとしては、「発注者コード」にエラーが出ているね。
浜尾さん ああ、発注者コードは適当に入れたからなぁ。
稲上編集長 発注者コードは半角数字8桁で入れることが原則になっています。“適当”はだめですよ。しっかり守ってくださいね。
森さん 先回の打合せのときに、注意事項一覧表を渡してあるじゃないか!
では次の人は・・。
次は私です。自信は有りませんが・・。
森さん さてどうでしょうか!やはり本人の自信の無さがその通り、出ましたね。書類関連で4個エラー。内容は、浜尾君とほぼ同じように「工種選択」と各コードの記入に間違えがあったようだね。
さて、次は・・・。
う〜ん、私は現場が忙しかったので心配ですね。
森さん 出ました1個です。忙しいと言いつつ結果は優秀ですね。内容は工事情報の中の請負者名が「未記入」となっていますね。
ああ分かった!はじめに会社名に「(株)」を入れていたので、「電納Pro.」のチェック機能ではじかれたんですよ。それですべて書き直したときに会社名まで削除したかも知れません。
稲上編集長 始めてとしては中々良い結果となったのではないでしょうか?皆さんそれぞれ事前に良くまとめられていたので、エラーも思っていたより、少なかったようです。
エラー結果も「電子納品・保管管理システム チェックシステム」を使うことにより明確になったので、今後は間違いなく変換できる自信がついたようですね。でも、電子納品変換ソフトを使っていても、最終のチェックは必要になってくるのでしょうか?
高松さん 操作中のちょっとしたミスにより、必要な情報などが欠落していることも予測されますので、変換ソフトを利用していても、必ず国土交通省のチェックシステムで確認することをお勧めします。
森さん では発表します、
浜尾君・2個
川本君・4個
市田君・1個
ということで、一杯オゴリは川本君に決定です!
チョット待ってくださいよ!森さんまだやっていないじゃないですか。
森さん 僕は事前にチェックしておいたから。ちなみにエラーはゼロでしたぁ(どんなもんだい)。
本当かなぁ・・・
森さん では、エラーゼロの私のデータを実際に納品する形式である「CD-R」に焼き付けましょう。データを書き込んだCD-Rには必要な情報を印刷して・・。さて出来たぞ!
全員 やった〜出来たぞ!感無量ですね!
着手時協議事項チェックリストの作成
高松さん お疲れさまでした。しかし、まだ終わったわけではありませんよ。必要なデータの電子化が終わったら、実際の協議時に使う「事前協議シート」を作っておかなければなりません。
これは、土工協 から出されている「工事完成図書電子納品要領(案)手引き書」の巻末付録に「着手時協議事項チェックリスト」が大変参考になると思います。この資料に基づいて事前協議項目を作成しておきましょう。
参考資料はこちらから
http://cals.dokokyo.com/sec_studywg/denshinouhin/tebiki.pdf
香川 いやー出番が無いかと思いましたよ。チェックリストについては、私が事前に書き込んでおきました。今までの打合せ内容や、要領(案)を勉強してきた成果もあって、チェックリストに必要な事項を埋めていくことは、そんなに難しくは無かったです。
稲上編集長 さすが真主人公の香川さん!!きちんと資料を整理されてきた成果が出ていますね。
これで、事前協議に必要な「チェックリスト」と実際に納品する資料のイメージとなる「電子化された雛型」が出来上がったわけですね。
高松さん CALS/ECをいち早く理解するためには、一人一人が難しい「電子納品要領(案)」を頭を抱えながら解釈するよりも、具体的な活動として、主要メンバーが集まって、この2つを社内標準として協同で作り上げることが一番大切だと思います。
稲上編集長 なるほど、実際に作っていけば、自然に問題点にもぶつかりますし、それを解決するために「電子納品要領(案)」を何度も読み返すことで、理解が深まりますからね。
最終の「中間地点での見直し」
森さん さてさて、長い取り組みだったね〜。でもようやくこれで、この取り組みも終わりですね。
稲上編集長 何言っているんですか森さん!(ピシャリ!)始めに作った工程表ではまだ中間地点ですよ。
IT委員会のリーダー職員の方が目標完了しただけで、これを全社的に展開する大切な仕事が残っていますよ!
森さん あれれ、すっかり忘れていました(笑)うそうそ、忘れているわけで無いですよ(忘れたなんていったら、張り倒されそう・・)。今回の取り組みでは、参加したリーダー職員も自信をつけたので、今後も積極的に取り組むつもりでいます。
稲上編集長 さすが森チーフ。それでは、この取り組みでも恒例になりました「中間地点で見直し」を最後にしていきましょう。
まずは、川本さんはいかがでしたか?
私は初めてのことばかりで戸惑いましたが、結果的にはCADなども実践的に使えるようになって、とても満足しています。まだ完全に使いこなせるわけではないですが、自分ひとりだけではなく、まだ使えない人に対しても、積極的に教えることが出来るようにして行きたいと思っています。
稲上編集長 浜尾さんは、出席率も高く積極的に取り組んでいましたね。
浜尾さん
僕はパソコンがあまり得意なほうではなかったので、今回は積極的に取り組むことで苦手意識を無くそうと思いました。紙での資料か?電子化資料か?と聞かれると、まだどちらも同じぐらい時間が掛かってしまいますが、同じ時間になっただけでも進歩したと思います。CADには私も魅力を感じますので、利用するだけではなく活用するレベルを目指して頑張ります。
稲上編集長 さて、次は市田さん。市田さんも頑張りましたよね。
私はとてもパソコンが苦手だったので、なぜこの取り組みに選ばれたのか不思議でしたが、選ばれた以上は頑張らなければ!と取り組みました。まったく判らなかった電子納品も実際に「電納pro.」で変換作業などをしていくうちに、自然に身についてしまったようです。「習うより慣れろ」を実践した感じですね。これからはじめる人には「まず触ってみること」を奨めていきたいと思います。
稲上編集長 最初は取り組みに参加することを嫌がっていた森チーフも、最後の頃は一番、真剣に取り組んでいましたね。
森さん
失礼な!!初めから全開で取り組んでいましたよ(笑)。私は独学ではパソコンを触っていましたが、自分の都合の良い使い方しかしていなかったと感じています。この取り組みのはじめに「IT基礎教育」を全員で受けたことがここに来て活きているのだと思います。それを飛び越してCALS/ECに対応したとしても、高松さんがよく言われている「建設IT化」には近づいていなかったと感じます
稲上編集長 香川さんは主人公として大活躍でしたね。
香川
はじめは形がなかなか見えてこなかった電子納品も、社内標準を作るといった具体的な目標を掲げた時ごろから、かなり実践的な内容になってきたかと思います。XMLやSXFなど聞きなれなかった言葉も、ソフトウェア側で勝手に変換してくれるのでほとんど意識する必要が無いことも判ってきたので、本来やるべきことがはっきりとしてきました。
最終的に2つの社内標準データを作り上げたことで、委員会のメンバーの意識も上がったと思うので、この流れを止めることなく、全社に展開したいと思います。
稲上編集長 皆さんにとても前向きな意見をいただき、ありがとうございました。
高松さん、ここまでの取り組みでのポイントと今後注意すべき点を教えてください。
高松さん まずここまでの成果で出たポイントを挙げてみます。











ポイント
途中で脱落者無く、全員で取り組んだ
はじめに工程表を策定し、そのスケジュール通り進んだ
成果目標を具体的に示し、それを実行した
問題点を抽出するために「中間地点での見直し」を何度も行った
パソコンに対する苦手意識を克服するために「IT基礎教育」からはじめた

これはCALS/ECだけではなく、新しい取り組みには共通した手法と言えます。問題はここからです。一旦成果が出始めると、そこで取り組みのスピードが極端に落ちてしまうことが良く見かけます。
これを避けるために、下記事項に注意して下さい。










注意事項
新たな成果目標を、具体的に示す
工程表を見直し、新しく作り変える
取り組みの動きを今までより早いものにする
失敗事例を作り上げる

中でも失敗事例を作り上げることは、新しい取り組みをする時には、とても重要なことです。失敗の裏返しは「成功」ですから、どんどんと失敗したことを公表しあう環境作りが重要です。
私が今取り組んでいる事例では「20個の失敗事例を作るプロジェクト」というものがあります。皆で失敗を恐れずにそれを成果に変える事で、より明確でスピードのある取り組みになるのです。
稲上編集長 なるほど、「失敗プロジェクト」ですか、面白そうですね。そういえば私も数々の失敗が・・・。(気を取り直して)長いようであっという間に過ぎてしまったような気がしますが、読者の皆さんはいかがでしょうか?
最後に、栗本 土木部長 古川様よりお言葉をいただきましたのでご紹介させていただきます。
また、続いて、RICOH 建設CALS支援センター センター長 黒木、同じく、RICOH 建設CALS支援センター「CALS推進室」編集長稲上よりご挨拶をさせていただきます。

















広島県下では、未だ電子納品が必須となる工事は少ないのが現状です。しかし栗本では、その本格普及に先んじて、社内の体制整備に踏み切り、建設業勝ち残りのための1つの必須課題を間もなくクリアできるものと考えています。
今回のプロジェクトがスタートした時点では、Goの意志決定がなされたものの、具体的にはCALS/ECの詳細内容の把握を初め、必要なITの選定やどのように進めてゆくかということも、社内だけでは解決し難い問題でした。
そこで以前から関係が強く、建設業ITやCALSに向けた活動経験が豊富なリコーに相談した次第です。リコーからは、コンサルティング的な支援に始まり、電子納品に必須なITスキル習得のための充実した教育までもリードして頂き、単に商品提供に留まらぬ大きな尽力を頂きました。
結果、プロジェクトも円滑に進捗し、後々の実践段階にも自身を持って向かえるようになったと思います。また、今回は、栗本のCALS委員会のメンバーがとても期待に応えてくれました。この場をお借りして、その努力を称えたいと思います。
 




















今回のプロジェクトは、栗本様からのご要請を頂いたことを発端として取り組みを開始しました。未だ第一ステップを終えたばかりですが、栗本様におかれましては、県内或いは全国の同業他社にも先んじて、建設CALS対応を前提とした現場IT化が進展したように思います。
建設CALSに関しては、未だ発注者側で準備段階であったり未確定な部分が多かったりで、建設会社においては具体的な対応計画や方法を決め難い面もあります。
しかし、今回の栗本様の事例に習うならば、主体的に建設CALSへ取り組むことによって、多くの建設業の方々が抱えているような建設CALSやIT化への不安は一蹴され、社員個々の情報リテラシが飛躍的に向上し、社内ITの標準も整い、それらが業務改善に大きく寄与するであろうことが十二分に予測できます。加えて、同業他社に先駆けて取り組まれたことで、地域での建設CALSのリーダー的役割を担える存在となり、正確かつ高度な施工監理を以って諸発注者様からの信頼獲得へも繋がるものと期待されます。
栗本様におかれましては、今後もさらに社内IT化を推進していかれる計画とお伺いしております。建設業の経営環境が益々厳しくなる中、IT化が建設業勝ち組みへの必要条件であること確信しつつ、栗本様のご努力が、他の模範事例となりましょうことを期しています。
最後に、今回の取り組みでは、リコーも多大な勉強・経験を得ることができました。栗本様はじめ、関係各位の方々に深く感謝を意を申し上げます。
 























建設業界の皆様へ
「CALS推進室」編集長を勤めさせていただきました稲上です。
皆様のアンケートへのご回答やご意見などに支えられて何とか最終回まで漕ぎつくことができました。
ご支援ありがとうございました。

全10回の連載。いかがでしたでしょうか?

私にとっては、電子納品の実施テストまでの感動的なドラマとなりました。
現在、約60万社と言われている建設業関連企業様一社一社にそれぞれのドラマがあるのだと思いますが、今回は栗本様のプロジェクトに関わらせていただくことにより、そのドラマが出来るまでの様々な出来事を肌で感じることができ、これは私自身にとっても、大切な宝となりました。栗本様のプロジェクトの様子、私が学んだことを少しでもリアルにお届けでき、また、それが「CALS推進室」をご覧頂いた皆様のお役に立てていればと願うばかりです。

栗本様の今後のCALSへの取り組みはもちろんのこと、建設業界の動向により敏感になり、建設業関連企業様のお役に立つコンテンツ作りに邁進してまいります。

是非、今後とも建設CALS支援センターをよろしくお願いいたします。

この場をお借りして、栗本様はじめ、関係各位の方々に深く感謝を意を申し上げます。
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